
ヤマハの125ccスポーツモデル「YZF-R125」は、ヨーロッパを中心に高い人気を誇るエントリースーパースポーツ。
2023年にフルモデルチェンジを受けた新型は、デザイン・装備・走行性能の全てが刷新され、「YZF-Rシリーズ」のDNAを受け継ぐ本格的なマシンへと進化しました。
この記事では新型YZF-R125の特徴を旧型モデルと比較しながら徹底解説します。
ヤマハ 新型YZF-R125とは?
バイク界において、「エントリー・スポーツモデル」として高い人気を誇るヤマハのRシリーズ。その中でも排気量125ccクラスのエントリーモデルである「YZF-R125」が、「新型」として国内に導入されたことで話題となっています。
新型YZF-R125のモデル概要と背景
まずこのモデルの立ち位置を整理しておきましょう。
YZF-R125は、2008年に欧州市場を中心に登場した、排気量124.7cc のスポーツバイクです。
日本国内では長らく正規導入がなく、「逆輸入」などの形でのみ流通していた時期もありました。
「YZF-R125」は、ヤマハのスーパースポーツ「YZF-Rシリーズ」の最小排気量モデル。
125ccクラスながら、上位モデル「YZF-R7」「YZF-R1」と共通するレーシーデザインを採用し、ヨーロッパ市場で若年層を中心に高い評価を得てきました。
2023年には欧州ヤマハより新型モデルが発表され、日本市場にも正規導入。
2023年9月、満を辞して国内において「YZF-R125 ABS」が正式発表され、2023年10月16日から発売される旨の報道がありました。
排気量125ccクラスながら、「Rシリーズらしい造形」「倒立フォーク」「フルカウル」「スポーツバイクの装備感」を備えたモデルとして、エントリーライダーから注目を集めています。
背景としては、125ccクラスのスポーツ需要が拡大していることが挙げられます。
特にヨーロッパでは16歳から125ccに乗れることから、若者の“初めてのスーパースポーツ”として人気が高く、ヤマハはその需要に応える形で新型を開発しました。
このように、国内において「本格的スポーツバイクの雰囲気を持つ125cc」が選択肢として増えたという点が重要なポイントです。
そのため「新型YZF-R125」とは国内販売された2023年モデル以降の事を指します。
新型YZF-R125の主な装備
新型YZF-R125では、見た目だけでなく中身も大きく進化しています。
ここでは注目ポイントを順に解説します。
1.新デザインのフロントフェイス

上位モデル「YZF-R7を彷彿とさせるセンター1眼LEDヘッドライトを採用。
エアインテークを中央に配置し、よりレーシーでアグレッシブな印象へと進化しました。
2.マルチファンクションのLCDメーター

マルチファンクションのLCDメーターを採用。スポーツバイクならではの シフトタイミングランプを備えていてハンドルを握る人をその気にさせてくれます。
また表示情報は市街地向きの「Street Mode」と、スポーツ走行に向いた「Track Mode」の2モードを選択が可能となっています。
3.トラクションコントロール搭載
125ccクラスでは珍しい電子制御デバイスを採用。
滑りやすい路面での安全性が高まり、初心者でも安心してスポーティな走りを楽しめます。
機能のオン/オフ切り替えが可能なのでついていて損はありません。
4.クイックシフター(オプション)
アップ側のクイックシフターに対応。
クラッチ操作なしでスムーズなシフトアップが可能となり、ワンランク上のスポーツライディングを体感できます。
5.アシスト&スリッパ―クラッチ


エンジンブレーキを緩和してくれる「A&Sクラッチ」が標準で装備されているのには驚きです。
125ccクラスでこの装備はやりすぎと言うかヤマハの本気度が伝わってきます。
6.中低速での操作性を高めるVVA(可変バルブ)

優れたパワーを発揮する水冷SOHCエンジンには、中低速での操作性を高めるハイパフォーマンスなVVA(可変バルブ)を採用。回転数全域で扱いやすいトルク性能を引き出す。
SOHCエンジンのおかげか、VVAのおかげか他社の125ccクラス最高馬力(15PS)と比べるとトルクが強いのも特徴です。
ヤマハ 新型YZF-R125のスペック
ここでは新型YZF-R125と旧型(欧州モデル)のスペックを比較、紹介していきます。
2025年 新型YZF-R125のスペック(日本仕様)
| 項目 | 新型YZF-R125(2025年) |
| 全長×全幅×全高 | 2,030mm/725mm/1,135mm |
| シート高 | 815mm |
| 車両重量 | 141kg |
| エンジン型式 | 水冷4ストロークSOHC単気筒 4バルブ |
| 総排気量 | 124cc |
| 最高出力 | 11kW(15PS)/10,000rpm |
| 最大トルク | 12Nm/8,000rpm |
| 変速機 | 6速リターン |
| 燃料タンク容量 | 11L |
| タイヤサイズ(前/後) | 100/80-17 / 140/70-17 |
| ブレーキ | 前後ディスク(ABS) |
| 電子制御 | トラクションコントロール |
旧型YZF-R125のスペック(欧州モデル)
| 項目 | 旧型YZF-R125(~2022年) |
| 全長×全幅×全高 | 1,955mm × 680mm × 1,065mm |
| シート高 | 825mm |
| 車両重量 | 約142kg |
| エンジン型式 | 水冷SOHC単気筒 4バルブ |
| 最高出力 | 11kW(15PS)/9,000rpm |
| 最大トルク | 11.5Nm/8,000rpm |
| メーター | LCDディスプレイ(モノクロ) |
| フロントフォーク | 倒立式(KYB製) |
| 電子制御 | なし(ABSのみ) |
新型YZF-R125と旧型の比較
| 比較項目 | 新型YZF-R125(2025) | 旧型YZF-R125(~2022) | 進化ポイント |
| 外観デザイン | R7/R1風 新デザイン | 従来型2灯ヘッドライト | フロントフェイス刷新 |
| メーター | マルチファンクションLCDメーター | カラー | 視認性・機能性大幅向上 |
| 電子制御 | トラクションコントロール搭載 | ABSのみ | 安全性向上 |
| クイックシフター | オプション対応 | なし | スポーティさ向上 |
| フレーム剛性 | 最適化(剛性バランス改良) | 旧設計 | 操作性・安定感アップ |
| エンジン性能 | 出力・トルク同等 | 出力・トルク同等 | 出力特性の滑らかさ改善 |
| カラーラインナップ | ブルー/ブラック/ホワイト(国別で異なる) | ブルー/ブラック | 選択肢拡大 |
新型YZF-R125は数値上の出力は据え置きながらも、電子制御や快適装備の充実によって“実走行での速さ”と“扱いやすさ”を両立しています。
また、デザイン面ではR7・R1と統一感を持たせることで、シリーズ全体のブランドイメージを強化しています。
まとめ
ヤマハ 新型YZF-R125 は、単なる125ccスポーツではなく、
「本格スーパースポーツの入門機」として圧倒的な完成度を誇るモデルです。
- フロントデザインはYZF-R7譲りの最新スタイル
- フルカラーTFTメーター+スマホ連携対応
- トラクションコントロール&クイックシフター対応
- 改良されたフレームで安定感と乗り心地が向上
旧型と比べると、電子制御・装備・デザインのすべてが進化しており、街乗りからワインディングまで高い満足度を得られます。
「YZF-R125」は、125ccという枠を超えた装備、そしてプレミアムな走りを体験できるヤマハの新たな傑作。
これからスポーツバイクを始めたいライダーにとって、最も注目すべき1台といえるでしょう。


